追想五断章/米澤 穂信

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第10回本格ミステリ大賞候補作

非常に美しいミステリである。
その流れは、連城三紀彦氏の作品を彷彿とさせる。
米澤氏はこんな作品も書くことができるのかと、その才能に素直に感心させられた。

インシテミルの映画化も決まり、まさにノリにのっていると言えるだろう。

父が書いた5本のリドルストーリーを探してほしい。
叔父の古本屋でアルバイトをする菅生芳光は、報酬目当てで女性の依頼を受ける。
生きる道筋を見失いつつあった菅生は、いつしかその捜索にのめり込んでいく。
少しずつ見つかる断章。そして、深まる謎。
徐々に明らかになる父の過去。
最終的にその全てが繋がる美しい流れ。

じわじわと心にしみてくる作品である。